暗中模索

【1】暗い闇の中を、手探りで探すこと。
【2】手がかりがないまま、あれこれと探る様子。

 中国の唐の時代、許敬宗(きょけいそう)という宰相(総理大臣)がいまし
た。傲慢で物覚えが悪く、人に会ってもすぐに名前を忘れてしまったそうです。
ある人が許敬宗に言いました。
 「あなたは、たとえ暗闇[=暗中]で手探り[=模索]してもすぐに誰だか
分かるような印象的な人に出会ったことがないのです。物忘れがひどいあなた
でも、素晴らしい人との出会いは忘れません。つまり、そういう気持ちで人と
接すればよいのです」。
 [暗中模索]=「暗闇で手探りしたらすぐわかる」という意味だったのです
ね。現在の意味とは逆です。